盤沈下から一転！隆起した岸壁に戸惑う漁師

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東日本大震災直後の三陸沿岸では、最大で2ｍ近い地盤沈下があり、満潮時には水没してしまうなど、海辺で働く漁師をはじめ、沿岸部の住民を困らせていた。

ところが3年半が経過し、沿岸部の復旧復興が進むなかで、今度は地盤が隆起して、新たな問題が発生しているという。

TBSの取材によると、気仙沼市では最大74センチの地盤沈下を記録。市では、かさ上げ工事により漁港の岸壁を震災前の高さに復旧させた。
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ところが、震災から3年が経過する間に隆起現象がおき、宮城県内では30センチ以上も盛り上がった所もあるという。

そのため結果的に岸壁の高さが、震災前より高くなってしまい、船の乗降や、漁獲物の水揚げ作業などに支障が出ており頭を悩ませているとのこと。

現場の漁師からは、「設計図を見て、これでは高い。と何度も市に働きかけてきた。現場の声を聞きながら工事を進めて貰えれば」と憤る。

これに対して、市側は「早く復旧させて浜の復興を進めたかった」とTBSの取材に対して釈明。

ニュースでは、スピードと丁寧さの両立が求められる復興事業の難しさを象徴しているとしめた。

地盤が隆起するという話は、震災直後から専門家を中心に話がでており、行政側も漁業関係者も、少なからず認識していた問題だった。

隆起を見越して、岸壁をスロープや階段状にしたりすることも可能だったはず。

しかし、ここで立ちはだかるのは国の方針。「復興事業はあくまで現状復旧」であり、震災前の岸壁の機能に戻すことが大事で、それ以上の機能的な付加価値をできることは許されない。住民説明会など予定調和で、ほぼ杓子定規で進められている復興事業。
本当に誰のための復興なのか？